静かな通路の突き当たりに扉がある。
その扉は、不思議と人々の目を引きつける。
中の空間は涼しげで。扉を開けると自然と光を発し、人間を誘う。
入ろうと思えば、きっと入れはする。
でも皆、扉を開けておくことすら厭わしいと言う。
きっと、扉の中の風景は人によって違う景色。
そして開いた人は、どうせ選択を迫られる。
ある人が開けば、扉の向こうは自分のみすぼらしさを投影し。
ある人が開けば、扉の向こうには残酷な誘惑と甘い夢。
ある人が開けば、自分の堕落を見せつけられ。
ある人が開けば、今その人の命に必要なものが見つかり。
ある人が開けば、そこには大切な人との繋がりが待っており。
そしてある人にとって、そこは宝物の隠し場所。
そう、そこは良いことも悪いことも、混じって濁って守る場所。
そしてそれは、そんな場所に繋がる扉。
それでも人は、その扉に惹かれ、今日もその扉を開くのだ。
問題:その扉の正体って、一体何?
ヒント1: アナタもきっと、その扉を開いた経験があるはず。
ヒント2: 注目点は、中の空間が涼しげである点。
ヒント3: 人によって、その中身は当然異なる。
大抵中身は、その人のお買い物の結果だったりするからだ。
扉の正体は冷蔵庫の扉。
冷蔵庫の中に強引に潜り込もうとする者は、あまりに稀であろうな。